皆さんは、いずれ家を購入しようと考えておられると思いますが、家は一生の大きな買い物なので簡単には決められないですよね。
土地を探して注文住宅を建てるのか、中古の戸建てやマンションを購入してリノベーションするのか、建売住宅や新築マンションを買うのか、など家を買う場合でも様々な選択肢があります。
どのケースにしても共通するチェックポイントはあるのですが、それぞれに注意しなければならないポイントもあります。
今回は家を買う前のチェックポイントについて解説します。
POINT①:将来売却できて貸すことができるような資産価値のある物件なのか?
皆さんは、家族で住むために家を購入するわけですから、将来のことまで考えなくてもいいのでは、と思っている人も多いと思います。
確かに投資目的ではないので、将来的にいくらで売れようが、賃貸に出せないような物件であっても別に構わないのですが、人生この先何があるか分かりません。
新型コロナウイルスで、ダメージを受けた業界は多数ありますし、リストラや病気、ケガなどで十分に働けなくなることもあり得ます。
よほど住宅ローンが払えない状況になれば、様々な問題はありますが売却すれば良いのです。
そのためには、そこそこ立地条件の良い場所を購入する方が、リスクヘッジになるということです。
また、子供が独立してライフステージが変化し、大きな家が要らなくなった場合は、賃貸に回して夫婦二人は小さなマンション暮らしに変えてもいいわけです。
住宅ローンさえ完済していれば、家賃収入で自分たちの住む家賃に回すこともできますよね。
まあ、先のことは誰にも分からないですし予算もあることなので、どうせ家を買うならあまり価値の低い家よりも、少しでも予算範囲内で資産価値の高い物件を手に入れましょうということです。
POINT②:危険な地域の土地や家は買わない!
これは、当たり前といえばそうなのですが、案外少し安めの価格で売り出されている土地の中には、ハザードマップで確認すると洪水の危険性や土砂崩れの危険性のある土地が販売されていることがあります。
そこそこ良い条件の場所なのに、相場より少し安く感じたら、このパターンが多いことを忘れないようにしてください。
また、一般的に埋立地と言われる場所や盛土をした造成地も危険がないとは言えません。
このような場所は、地盤が固くなって安定するまでにはある程度の時間が必要です。
たとえ時間が経過したとしても、災害があれば被害のリスクは高いと思われます。
埋立地や造成地の全てを否定することはできませんが地盤調査をしないと明確になりません。
弱い地盤なら地盤の補強工事が必要で、強度によっては費用が高額になることも考えられます。
日本は災害の多い地域でもあり、完全にリスクのない土地は無いのかも知れませんが、ハザードマップなどで調べて出来るだけリスクの少ない安全な土地を選ぶことが必要です。
危険な土地や中古住宅は買わない、埋立地や盛土がされた造成地であれば慎重に調査した上で安全を確かめましょう。
POINT③:最重要項目である周辺環境のチェック
土地を購入して注文住宅を建てる場合の土地選びは、大変難しいものですよね。
大体皆さんが望まれる土地は、新しく開発された分譲地が好まれます。
その理由としては昔から住んでいる人もいないので、その地域の習慣などもなく住みやすいからです。
また、新築住宅を建てる世代は、よく似た年齢の同世代が多く子供がいる家庭にとっては、近所に友達がたくさんできる環境なので子供にとっても良いということになります。
古い家が密集している住宅街にポツンと1区画だけ更地になって空いている土地は、周囲の環境が分からず住みにくい印象なので敬遠されることが多いですね。
そういう意味では、少々駅やスーパーから遠くなって不便になっても、住みやすい環境を選ぶ人も多いと思います。
周囲の環境のチェックポイントは、周囲に工場や倉庫、会社があれば異臭がしないか、騒音は無いかなど確認しておかないと休日朝早くから寝られないくらいの音がしたり、窓を開けたら変な臭いがして換気できないこともあるのでチェックをしておきましょう。
平日と土日祝日、日中と夜間という全てのパターンを確認しておくと安心です。
そういう意味では、何回もその土地に足を運んで車の中から観察し、たまには周囲を歩いてみるのも良いですね。
人通りの多さや夜なら街灯が明るくしっかり付いているか、など子供の学校や習い事などの帰り道となる駅から自宅までを往復歩いて見て確認することも必要です。
とにかく、大人でも暗い夜道はスリなど様々な犯罪のリスクがあるのでよく観察し、駅やバス停まで夜間歩いても大丈夫なのかを確かめましょう。
他には、スーパーやコンビニ、銀行などの周辺施設の位置や規模、日常生活が快適に近隣の商業施設で賄えるのかを確認することです。
また、子供が小さい間は、近くにかかりつけの小児科があれば安心ですし、歯医者や眼科、皮膚科など夜でも診察してくれる個人の医院があれば便利です。
総合病院は基本的に午前中の診察のみが多く、診察してもらうのに紹介状がなければ高い費用が必要です。
子供が熱を出したり少し体調が悪いくらいなら、個人の医院がたくさんある方が便利で安心ではないでしょうか。
自分たちが生活する上で、近隣になくてはならない施設が十分に揃っているのかなど確認しましょう。
POINT④:新築ほどチェックしにくいのでシュミレーションが必要!
戸建て住宅にしてもマンションにしても新築の場合は、建売住宅は別にしてまだ何も見えない架空のものを買うようなものです。
形もなければ、ロケーションも想像するしかないなど、確定されたものは何もなく全て想像の世界です。
土地を購入して注文住宅を建てる場合は、まだイメージしやすいですが、その場合もよく土地に対しての建物配置を見ておかないと、2階の寝室の窓と裏の部屋の窓がぴったり合って開けるのが気まずくなるようなこともあります。
裏の家だけではなく、両隣や前方の家もよく考えて配置しないと、もう少しずらせば良かったということにもなります。
一方マンションは戸建て住宅以上に想像しにくい状況です。
近隣には民家が多いのか、高さはどのあたりになるのか、ビルの窓と近くならないかなど、事前にバルコニーからのロケーションをイメージできるように説明を受けておくことが必要です。
他には、日当たりのシュミレーションや風が強い地域なのかなど、その地域によって特徴があるので把握しておくと事前に対策を考えておくことができます。
新築物件ほど、後でイメージと違ったということが多いので気を付けましょう。
POINT⑤:住宅ローンの返済計画はファイナンシャルプランナーに相談!
これは、土地や建物の状況の問題ではなくお金の話なのですが、家を買うということは負債を負うことでもあります。
長期なら35年で住宅ローンを組むので、長い期間にイレギュラーなことが起こるとシュミレーション通りに行かない場合もありますよね。
住宅ローンの総借入額の基準は、年収の約5倍から8倍までの開きがあり、人の属性の良し悪しで融資額や金利も変動します。
また、フラット35の融資額は年収の10倍まで貸すことができますが、本当にそれで大丈夫なのかなという疑問も出てきます。
もちろん事前審査があるわけなので、誰でも借りられるわけではなく、年収の10倍でも返せる能力があると判断されれば特に問題はありません。
しかし、住宅ローンは人生の中で最も長い「借金」なので、長い人生の中で何かあった時にもフォローできる対策を考えておかなければなりません。
つまり、生活を圧迫させるような毎月の返済額にしないことが大切なのです。
そのためには、家を買う前にファイナンシャルプランナーとよく相談して、自分に合ったシュミレーションを立ててもらうことが重要です。
自分ならこの金額までなら大丈夫というように、制限をかけてもらうことが後々の家族のためにもなるのではないでしょうか。